Amazon運用代行会社は「知名度」や「月額料金」だけで決めず、①任せたい業務、②費用総額、③担当者と改善提案、④契約条件、⑤アカウントの安全性を同じ基準で比較することが大切です。
広告だけを任せたい会社と、商品ページ・広告・利益分析まで相談したい会社では、適した支援先が違います。この記事では、比較表の作り方、面談で聞く質問、契約前の確認項目まで、初めて外注する方がそのまま使える形で整理します。

元Amazon社員
鬼島 智 Satoshi Kijima
2017年にアマゾンジャパンへ入社。販売事業者の支援を経験し、2020年に有料コンサルティングサービスの立ち上げに参画。
プロフィールと記事を見るAmazonの売上が伸び悩んだとき、「運用代行会社に任せれば改善するのだろうか」と考える人は少なくありません。ただ、依頼したいことが曖昧なまま契約すると、期待していた作業が別料金だったり、毎月レポートだけが届いたりする可能性があります。
最初に決めるのは「どの会社が一番有名か」ではなく、自社で何ができていて、何を外部に任せたいかです。
まずは「運用代行」「コンサル」「広告代行」の違いを知ろう。
同じ「Amazon運用支援」と書かれていても、実際に手を動かす範囲は会社ごとに異なります。大きく分けると次の3タイプです。
| 支援タイプ | 主な役割・向いている状況 |
|---|---|
| 運用代行 | 広告設定、商品ページの改善、レポート作成など、合意した実務を実行する。社内の担当者や作業時間が足りない場合に向く。 |
| コンサルティング | 現状分析、優先順位、施策の助言が中心。実作業は自社担当者が行う契約もあるため、実行範囲を確認する。 |
| 広告運用代行 | 広告の設計、予算、入札、検索語句、成果分析などが中心。商品ページ制作や在庫管理は範囲外の場合がある。 |
担当者がいない
業務範囲の広い運用代行を候補に。誰が実作業まで担当するか確認する。
社内で作業できる
戦略の助言や改善提案を受けるコンサル型も候補になる。
広告だけが課題
広告特化型を比較。ただし商品ページ側に原因がないかも確認する。
「運用代行だから全部やってくれる」「コンサルだから作業はしない」と決めつけず、見積書や業務一覧に含まれる作業を確認しましょう。
会社に連絡する前に、自社の状況を5項目に整理する。
相談時に次の内容を共有すると、各社から受け取る提案を比較しやすくなります。正確な数字が分からない項目は、現時点で把握できている範囲で構いません。
現在の売上規模と目標
例:Amazon月商300万円。半年後に400万円を目指す。売上だけでなく利益を維持したい。
困っていること
例:広告費が増えた、商品ページの更新が止まっている、在庫切れが多い。できれば課題を上位2つに絞る。
社内に残す業務
例:価格の最終決定・在庫発注・購入者対応は自社。広告調整と画像改善は外部に任せたい。
月に使える予算
代行費用だけでなく広告費、画像制作費、ツール費なども含めた上限を整理する。
判断する時期と責任者
いつまでに候補を決めるか、誰が契約と施策を承認するか、成果を何か月単位で評価するかを決める。
同じ条件を渡して見積もりを取る
会社ごとに相談内容が違うと、料金も提案内容も比較できません。売上規模・商品数・任せたい業務・月額予算をそろえて伝えるのが出発点です。
業務範囲は「何をするか」「誰がするか」まで比較する。
サービス紹介ページに「広告運用」「SEO対策」と書いてあっても、毎月どこまで実施するかは契約によって異なります。以下の業務を対応する/しない/別料金の3つに分けて確認しましょう。
| 業務 | 確認する具体例 |
|---|---|
| 戦略・分析 | 市場・競合分析、商品の優先順位、売上や利益の目標設計まで行うか。 |
| 広告運用 | 新規キャンペーン作成、入札調整、検索語句分析、除外設定、予算管理の担当は誰か。 |
| 商品ページ | 商品名・箇条書き・検索キーワード・A+コンテンツ・画像改善のどこまで含むか。 |
| 制作物 | 画像・バナー・動画の制作点数、修正回数、追加料金、編集データの受け渡し。 |
| 販促 | クーポンやセールの提案だけか、実際の設定まで行うか。最終承認は誰か。 |
| 在庫・FBA | 在庫分析と発注提案までか、納品作業や購入者対応まで含むか。 |
| 報告・打合せ | レポート頻度、担当者との会議回数、改善提案の内容、連絡手段。 |
特に「提案だけ」と「設定・制作まで実行」は別です。見積もりでは、作業内容に加えて毎月の実施回数・成果物・自社側の承認事項まで明記してもらうと認識のずれを減らせます。
料金は「月額費用」ではなく、支払総額で比較する。
Amazon運用代行の料金には、月額固定型・売上連動型・固定費と成果報酬の併用型・単発のスポット型などがあります。運用代行料金にはAmazonが定めた共通の相場や一律の料金表はなく、実際の金額は依頼する業務範囲や契約条件によって異なります。各社に同じ条件を伝え、内訳の分かる見積もりで比較しましょう。
| 料金体系 | 確認したいポイント |
|---|---|
| 月額固定型 | 毎月の支払額を見通しやすい。固定費に含む作業と別料金の作業を確認する。 |
| 売上連動型 | 売上が伸びると費用も増える。対象売上の定義、返品・キャンセルの扱い、最低報酬を確認する。 |
| 固定+成果報酬 | 固定費に加えて売上などに応じた費用がかかる。二重計上や上限額を確認する。 |
| スポット型 | 広告初期設定や画像制作などの単発依頼に向く。納品物と修正回数、納品後の保守範囲を確認する。 |
月商が変わると、料金はこれだけ違う。
次の3つは計算方法を理解するために設定した架空の契約例です。実在する会社やIRUNEの価格ではありません。
A社:月額固定20万円
B社:対象売上の5%
C社:月額10万円+対象売上の2%
| 対象月商 | 各プランの代行費用(月額) |
|---|---|
| 200万円 | A:20万円 / B:10万円 / C:14万円 |
| 500万円 | A:20万円 / B:25万円 / C:20万円 |
| 1,000万円 | A:20万円 / B:50万円 / C:30万円 |
月商200万円のとき最も低い費用が、月商1,000万円になっても最も低いとは限りません。成果報酬が「売上全体」なのか「増加分」なのかでも金額は変わります。今月の売上だけでなく、伸びた場合の費用も必ず試算しましょう。
広告媒体費、販売手数料、FBAや配送に関する費用、画像制作費、ツール利用料などは別に発生する場合があります。見積書には「初期費用・月額固定費・成果報酬・広告運用手数料・制作費・その他」の内訳を記載してもらいましょう。
さらに、利益=売上-商品原価-Amazon関連費用-広告費-運用代行費-その他の費用という全体で見ます。売上が増えても、利益が減る提案なら見直しが必要です。
比較で本当に差が出るのは、この7項目。
見積もりがそろったら、次の質問に対する各社の回答を一行ずつメモしてください。曖昧な回答が多い場合は、契約前に確認を重ねましょう。
| 比較項目 | 面談でそのまま聞ける質問 |
|---|---|
| ①課題の理解 | 「当社の売上・広告・商品ページを見て、最初に何を改善しますか?その理由は?」 |
| ②実務の範囲 | 「月額料金に含まれる作業、対象商品数、制作本数、修正回数を一覧で教えてください」 |
| ③担当者 | 「実際に運用する担当者は誰ですか?経験分野と担当社数、交代時の引継ぎ方法は?」 |
| ④成果指標 | 「広告ROAS以外に、売上・利益・セッション数など何を毎月追いますか?」 |
| ⑤報告と改善 | 「レポートの見本と、前月の結果から翌月の施策に変えた例を見せてもらえますか?」 |
| ⑥費用と契約 | 「初期費用、追加料金、最低契約期間、自動更新、解約予告期限は?」 |
| ⑦安全性 | 「外部サービスプロバイダーとしてどの権限を使い、契約終了時はどう返却・削除しますか?」 |
実績を聞くときは「売上○倍」だけでなく、どの期間・何の商品・どの施策・どこまでが担当会社の支援だったのかを確認します。広告や値引き、季節要因の影響もあるため、過去事例が自社で再現されるとは限りません。
契約前に確認したい5つの注意点。
「誰が、何を、いつまでに」を契約書へ
担当者同士で理解していても、書面に残っていないと後から意見が分かれることがあります。運用開始前に双方の役割を確認しましょう。
成果報酬の「売上」の定義
総売上か、対象商品の売上か、税・返品・キャンセルを含むか。売上のどの時点で計算するかも確認します。
契約期間・更新・解約条件
最低契約期間、更新単位、途中解約費、解約通知期限、引継ぎ期間を確認します。例えば「3か月契約」と「3か月前までの解約通知」は別の条件です。
成果物・データの引継ぎ
制作画像の利用権、編集可能な元データ、広告設定・運用記録、レポートを契約終了後も使えるかを明記します。
承認が必要な操作と責任分担
価格変更、セール、広告予算増額、商品説明の更新、在庫発注など、事前承認を要する作業を決めます。
アカウントアクセスの権限と解除
パスワードの共有で済ませず、Amazonの外部サービスプロバイダー向け承認機能を使う方法を確認します。終了時の権限取り消しとデータ返却もセットで決めましょう。
2026年9月から、外部パートナーのアクセス管理が変わっている。
Amazonは2026年9月1日から、セラーセントラルにアクセスする外部サービスプロバイダーの認証とセキュリティを強化しています。Amazon公式ヘルプでは、外部事業者への権限承認は365日間で、権限の範囲は出品者側が選択できると案内されています。
| 項目 | 2026年の確認ポイント |
|---|---|
| 外部事業者の区分 | 社員の追加ではなく、サービスプロバイダーとして承認する仕組みがある。 |
| 権限 | 広告・商品情報など必要なロールだけを選ぶ。対象国・地域を制限できる場合がある。 |
| 承認期間 | 365日。有効期限が近づいた場合、継続には再承認が必要。 |
| 解除 | 「サービスの管理」からアクセス権を確認・取り消しできる。 |
Amazonの出品用アカウントを代行会社へ譲る必要はありません。ログイン情報をそのまま共有しないことも、Amazon公式ヘルプが案内しています。細かな操作はセラーセントラルのユーザー権限と外部パートナーへのアクセスの記事でも確認してください。
実際の比較は、3社程度を同じ表に並べると判断しやすい。
候補が多すぎると比較しにくくなります。まずは自社の課題に合う会社を2〜3社選び、以下の項目を同じ条件で比べてください。社数は目安であり、必ず3社必要という意味ではありません。
このまま使える比較メモ
- 月額の総費用:固定費・成果報酬・広告費・制作費を分けて記載
- 対象業務:広告/ページ/SEO/制作/在庫/分析/定例会の有無
- 担当体制:実務担当・責任者・連絡頻度・不在時の対応
- 提出物:月次レポート・改善計画・制作データの例
- 目標:売上だけでなく、利益と主要KPIの考え方
- 契約条件:最低期間・追加料金・更新・解約・引継ぎ
- アクセス:必要権限・承認方法・契約終了時の削除
提案を比較するときの判断順
見積範囲が合う 費用を含めて
利益が見込める 担当者と契約条件に
納得できる
提案が魅力的でも、作業範囲や費用に説明できない部分が残るなら、すぐに契約せず確認しましょう。「何をするか」が具体的な提案ほど、開始後の評価もしやすくなります。
IRUNEのAmazon運用支援は、どこまで相談できる?
ここで、当メディアを運営する株式会社IRUNEの公開サービス内容も、上の比較基準に沿って整理します。自社紹介だからこそ、確認できる事実と契約前に確認すべきことを分けて紹介します。
| 比較ポイント | IRUNE公式サイトで案内されている内容 |
|---|---|
| 専門性 | 元Amazonのメンバーを含むチームによる支援。支援実績500社超の表記は、在籍メンバーの過去の支援実績を含む。 |
| 対応領域 | 戦略立案、Amazon広告、商品ページ・検索対策、競合分析、利益分析など。 |
| 制作・改善 | 画像・バナー・動画の制作や改善、外部広告なども対応メニューに掲載。 |
| 報告・連絡 | チャット・電話、詳細レポート、月次振り返りミーティングをサービスメニューに掲載。 |
| 料金と対象範囲 | 案件に合わせたカスタマイズ提案。対応範囲によって別途費用が発生する場合があるため、個別見積もりで確認。 |
| 相談の入口 | 公式サイトで無料アカウント診断を案内。具体的な実施範囲・条件は相談時に確認。 |
広告だけを見直したい場合も、商品ページや利益構造まで一緒に改善したい場合も、自社の課題とIRUNEが提案する作業範囲が合うかを最初に確認してください。対応メニューに掲載されていても、すべての契約に全項目が含まれるわけではありません。
IRUNEの支援範囲は、Amazon運用支援の公式サービスページで確認できます。また、会社タイプごとの情報を詳しく見たい方には、IRUNE公式の運用代行・コンサル比較記事もあります。
契約したら終わりではない。最初の90日で確認したいこと。
依頼後の進め方も、契約前にすり合わせておきましょう。以下は運用体制を確認するためのモデル例で、すべての会社に共通する納期や成果保証ではありません。
| 時期 | 確認しておきたいこと |
|---|---|
| 開始前 | 担当者、対象商品、作業範囲、承認フロー、費用、データ共有方法を確定する。 |
| 〜30日 | 売上・広告・商品ページ・在庫の現状を確認し、優先施策と根拠を共有する。 |
| 31〜60日 | 合意した施策を実行し、変更内容と広告費・セッション数・注文点数などの推移を記録する。 |
| 61〜90日 | 期間と季節性を考慮し、売上・利益・作業実績・次の改善案を振り返る。 |
「売上が必ず3か月で伸びる」という意味ではありません。売上がすぐに変わらない場合でも、何を検証し、何が分かり、次に何を変えるかを説明できる運用になっているかが大切です。
よくある質問。
Amazon運用代行は、売上が小さくても頼むべきですか?
必ずしもそうではありません。対象商品が少なく、社内で改善できることが明確なら、まず自社運用や単発相談を選ぶ方法もあります。代行費を含めた利益と、自社で使える時間を比較して判断しましょう。
コンサルと運用代行は、どちらが安いですか?
料金は支援範囲で変わるため、名称だけでは比較できません。コンサルでも調査や定例会が多ければ高くなることがあり、運用代行でも広告だけなら範囲が限定されます。同じ作業条件で見積もりを取りましょう。
成果報酬型なら、売上が増えなければ無料ですか?
そうとは限りません。売上全体に料率を掛ける契約なら、以前からある売上にも費用がかかります。最低報酬、固定費、初期費用、広告運用手数料の有無も確認してください。
元Amazon社員がいる会社なら、必ず売れますか?
必ずではありません。経歴は判断材料の一つですが、担当者の実務経験、商品カテゴリーへの理解、提案の具体性、契約条件も重要です。過去の成果が自社で再現される保証はありません。
Amazon Adsパートナーネットワークの掲載・バッジは必須ですか?
Amazon Adsはパートナーの専門性やステータスを確認できるディレクトリを提供しています。ただし、広告支援の区分と、Amazon運用全体の委託範囲は同じではありません。掲載やバッジだけで選ばず、提供業務と契約条件を確認してください。
契約終了後、Amazonのアカウントはどうなりますか?
出品用アカウントそのものを代行会社へ譲る必要はありません。終了時に外部サービスプロバイダーのアクセス権を取り消し、制作物や運用記録の受け渡しを契約に沿って確認しましょう。
次に読みたい、Amazon運用の基本知識。
会社を比較する前に、Amazonの画面や広告指標を理解しておくと、提案内容を判断しやすくなります。以下の記事も参考にしてください。
| 知りたいこと | 関連記事 |
|---|---|
| 出品管理画面の全体像 | セラーセントラルの基本と画面の見方 |
| 外部パートナーの権限管理 | ユーザー権限と外部委託先のアクセス |
| 広告の改善点 | Amazon広告の改善方法 |
| 広告の費用対効果 | ACOSとROASの違い |
最後に、会社選びで確認したいことを整理する。
契約を決める前のチェック
- 自社の課題と、任せたい仕事が言葉にできている
- 業務範囲、担当者、制作物、報告頻度を書面で確認した
- 固定費と成果報酬、広告費や制作費を含めて計算した
- 売上だけでなく、利益や主要KPIについて話し合った
- 契約期間・解約・データ引継ぎの条件を確認した
- Amazonの権限付与とレビュー施策の安全性を確認した
会社選びの目的は、外注すること自体ではなく、Amazon運用の課題を解決すること。候補を同じ基準で比べ、納得できる説明と実行体制のある相手を選びましょう。
どこを任せるべきか迷ったら、まず現状を整理しよう。
IRUNEでは、Amazonの広告運用・商品ページ改善・データ分析・制作を含む運用支援と、無料アカウント診断を案内しています。依頼範囲や費用は、商品の状況と課題に合わせて個別に確認できます。
IRUNEのAmazon運用支援を見る参考:Amazon公式情報
- Amazon公式ヘルプ「サービスプロバイダーにあなたのアカウントへのアクセスを承認する」
- Amazon公式告知「セラーセントラルにおけるサービスプロバイダーアクセスのセキュリティ強化」
- Amazon Ads「最適なパートナーを見つける」
- Amazon公式ヘルプ「レビューおよび関連トピックに関する質問への回答」
本記事は2026年11月2日時点で確認できる情報をもとに、日本のAmazon出品者向けに制作しています。Amazonの機能・認証・ルール、各社のサービス内容や料金は変更される場合があります。文中の料金シミュレーションはすべて説明用の架空の例です。
